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長尾 美春; 宮澤 正孝; 小向 文作; 藤木 和男
JAERI-Tech 2003-067, 33 Pages, 2003/07
大洗研究所JMTR(定格出力50MW)は、第145サイクルの共同利用運転を行っていた2002年5月14日午前11時40分頃、「制御棒外部コイル追従不良」のスクラム信号が発信し自動停止した。本件について原因調査を行った結果、5本の制御棒のうちの一つであるSH-3について追従不良検出回路のリレー端子に緩みがあり、接触不良によってリレーが作動してスクラム信号が発信したと判断された。しかし調査の過程で、自動制御棒に使用されていた制御棒SR-1位置の記録から、自動停止前数時間のSR-1の挙動が複雑で実際に追従不良が生じた可能性も否定できなかったため、SR-1の挙動について、原子炉の動特性の観点から分析を行った。その結果、当日午前7時前後から自動停止に至る約5時間のSR-1の位置変化は、1次冷却水の温度変化による減速材温度反応度,運転員による出力調整,燃料中の235Uの燃焼による反応度変化、の影響が重なり合ったものであることがわかった。
古野 朗子; 山本 洋一; 冨田 豊; 栗原 寿幸
no journal, ,
本研究は、CTBT国際監視システムの高崎放射性核種監視観測所、およびCTBTとの共同希ガス測定プロジェクトの一環として幌延とむつで観測されたXe-135について、大気拡散の観点から放出源を推定することを目的としたものである。これらの観測点では、放射性キセノンが不定期かつ頻繁に観測されており、核実験の探知を確実にするためには、放出源を明らかにすることが非常に重要である。CTBTで観測されている放射性キセノンの中で最も頻繁に観測される同位体はXe-133であり、半減期が比較的長い(5.25日)ため、発生源の特定が難しく、気象条件によっては東アジアだけでなくヨーロッパの原子力施設も発生源となり得る。一方、Xe-135は半減期が9時間程度と短く、放出の可能性のある地域は比較的狭い範囲に限られる。本発表では、過去4年間のXe-135検出事象に焦点を当て、日本に影響を与える可能性のある放出源について議論する。